医療保険財政の中で、イノベーションを推進する観点から、長期収載品について、保険給付の在り方の見直しを行うこととし、選定療養の仕組みが導入されました。
動画解説
保険給付と選定療養の適用場面
- 長期収載品の使用について、①銘柄別処方の場合であって、患者希望により長期収載品を処方・調剤した場合や、②一般名処方の場合は、選定療養の対象とする。
- ただし、①医療上の必要性があると認められる場合(例:医療上の必要性により医師が銘柄別処方(後発医薬品への変更不可)をした場合)や、②薬局に後発医薬品の在庫が無い場合など、後発医薬品を提供することが困難な場合については、選定療養とはせず、引き続き、保険給付の対象とする。
対象医薬品の考え方について
長期収載品の処方又は調剤に係る選定療養において、対象とする医薬品については、次の1~3までをすべて満たすものとする。
- 後発医薬品のある先発医薬品(いわゆる「準先発品」を含む。)であること(バイオ医薬品を除く)。
- 後発医薬品が収載された年数及び後発医薬品置換え率の観点から、組成及び剤形区分が同一であって、次のいずれかに該当する品目であること。
①後発医薬品が初めて薬価基準に収載されてから5年を経過した品目(後発医薬品置換え率が50%未満のものは除く。)
②後発医薬品が初めて薬価基準に収載されてから5年を経過しない品目のうち、後発医薬品の置換え率が50%以上のもの - 長期収載品の薬価が、後発医薬品のうち最も高いものの薬価を超えていること。この薬価の比較にあたっては、組成、規格及び剤形ごとに判断するものであること。
対象医薬品リストについて
事務連絡で記載しているの考え方に基づき、長期収載品の処方等又は調剤に係る選定療養の対象医薬品についてリストを作成し、厚生労働省ホームページで公開しています。
キョーリン リメディオ製品の対応表
キョーリンリメディオ製品の標準品が長期収載品の選定療養の対象かどうかの対応表です。
選定療養の対象医薬品との対応表 [Excel]
各製品の供給状況につきましては、供給状況検索よりご確認ください。
保険給付と選定療養の負担に係る範囲
- 選定療養の場合には、長期収載品と後発医薬品の価格差を踏まえ、後発医薬品の最高価格帯との価格差の4分の3までを保険給付の対象とする。
- 選定療養に係る負担は、医療上の必要性等の場合は長期収載品の薬価で保険給付されることや、市場実勢価格等 を踏まえて長期収載品の薬価が定められていることを踏まえ、上記価格差の4分の1相当分とする。
計算方法
長期収載品の処方等又は調剤に係る選定療養における費用の計算方法について(PDF)
医療機関・薬局の掲示ポスター及び窓口での案内チラシ
厚生労働省ホームページには、患者のみなさまへという特別の料金の説明と共に【施設内での掲示ポスター】
及び【窓口での案内チラシ】
が掲載されています。
疑義解釈について(抜粋)
【医療上の必要性について】
医療上の必要があると認められるのは、どのような場合が想定されるのか。
(答)保険医療機関の医師又は歯科医師(以下、医師等)において、次のように判断する場合が想定される。
① 長期収載品と後発医薬品で薬事上承認された効能・効果に差異がある場合であって、当該患者の疾病に対する治療において長期収載品を処方等する医療上の必要があると医師等が判断する場合。
② 当該患者が後発医薬品を使用した際に、副作用や、他の医薬品との飲み合わせによる相互作用、先発医薬品との間で治療効果に差異があったと医師等が判断する場合であって、安全性の観点等から長期収載品の処方等をする医療上の必要があると判断する場合。
③ 学会が作成しているガイドラインにおいて、長期収載品を使用している患者について後発医薬品へ切り替えないことが推奨されており、それを踏まえ、医師等が長期収載品を処方等する医療上の必要があると判断する場合
④ 後発医薬品の剤形では飲みにくい、吸湿性により一包化ができないなど、剤形上の違いにより、長期収載品を処方等をする医療上の必要があると判断する場合。ただし、単に剤形の好みによって長期収載品を選択することは含まれない。
また、保険薬局の薬剤師においては、
・ ①、②及び③に関して、医療上の必要性について懸念することがあれば、医師等に疑義照会することが考えられ、
・ また、④に関しては、医師等への疑義照会は要さず、薬剤師が判断することも考えられる。なお、この場合においても、調剤した薬剤の銘柄等について、当該調剤に係る処方箋を発行した保険医療機関に情報提供すること。
使用感など、有効成分等と直接関係のない理由で、長期収載品の医療上の必要性を認めることは可能か。
(答)基本的には使用感などについては医療上の必要性としては想定していない。
なお、医師等が問1の①~④に該当すると判断し、長期収載品を処方等する医療上の必要があると判断する場合であれば、保険給付となる。
【院内処方その他の処方について】
院内採用品に後発医薬品がない場合は、「後発医薬品を提供することが困難な場合」に該当すると考えて保険給付してよいか。
(答)患者が後発医薬品を選択することが出来ないため、従来通りの保険給付として差し支えない。
なお、後発医薬品の使用促進は重要であり、外来後発医薬品使用体制加算等を設けているところ、後発医薬品も院内処方できるようにすることが望ましい。
【後発医薬品を提供することが困難な場合について】
「当該保険医療機関又は保険薬局において、後発医薬品の在庫状況等を踏まえ、後発医薬品を提供することが困難な場合」について、出荷停止、出荷調整等の安定供給に支障が生じている品目かどうかで判断するのではなく、あくまで、現に、当該保険医療機関又は保険薬局において、後発医薬品を提供することが困難かどうかで判断するということでよいか。
(答)そのとおり。
【公費負担医療について】
医療保険に加入している患者であって、かつ、国の公費負担医療制度により一部負担金が助成等されている患者が長期収載品を希望した場合について、長期収載品の選定療養の対象としているか。
(答)長期収載品の選定療養の制度趣旨は、医療上必要があると認められる場合等は、従来通りの保険給付としつつ、それ以外の場合に患者が長期収載品を希望する場合は、選定療養の対象とすることとしたものであることから、今般、対象外の者は設けておらず、国の公費負担医療制度の対象となっている患者が長期収載品を希望した場合についても、他の患者と同様に、長期収載品の選定療養の対象となる。
なお、医療上必要があると認められる場合に該当する場合は、従来通りの保険給付として差し支えない。
医療保険に加入している患者であって、かつ、こども医療費助成等のいわゆる地方単独の公費負担医療の対象となっている患者が長期収載品を希望した場合について、長期収載品の選定療養の対象としているか。
(答)長期収載品の選定療養の制度趣旨は、医療上必要があると認められる場合等は、従来通りの保険給付としつつ、それ以外の場合に患者が長期収載品を希望する場合は、選定療養の対象とすることとしたものであることから、今般、対象外の者は設けておらず、こども医療費助成等のいわゆる地方単独の公費負担医療が対象となっている患者が長期収載品を希望した場合についても、他の患者と同様に、長期収載品の選定療養の対象となる。
なお、医療上必要があると認められる場合に該当する場合は、従来通りの保険給付として差し支えない。
生活保護受給者である患者が長期収載品を希望した場合は、どのように取り扱うことになるのか。
(答)【長期収載品の処方等が医療扶助の支給対象にならない場合】
「生活保護法第五十二条第二項の規定による診療方針及び診療報酬」(昭和 34 年厚生省告示第 125 号)第2に基づき、生活保護受給者については、長期入院選定療養以外の選定療養は医療扶助の支給対象とはならないとしている。
このため、生活保護受給者である患者が、医療上必要があると認められないにもかかわらず、単にその嗜好から長期収載品の処方等又は調剤を希望する場合は、当該長期収載品は医療扶助の支給対象とはならないため、生活保護法(昭和 25 年法律第 144 号)第 34 条第3項に基づき、後発医薬品処方等又は調剤を行うこととなる。
【長期収載品の処方等が医療扶助の支給対象になる場合】
長期収載品の処方等を行うことに医療上必要があると認められる場合は、当該長期収載品は医療扶助の支給対象となる。
生活保護受給者である患者が、単にその嗜好から長期収載品を選択した場合、「特別の料金」を徴収するのか。
(答)生活保護受給者である患者について、医療上の必要性があると認められず、かつ、保険医療機関又は保険薬局において後発医薬品を提供することが可能である場合は、長期収載品を医療扶助又は保険給付の支給対象として処方等又は調剤することはできないため、当該患者が単にその嗜好から長期収載品を希望した場合であっても、後発医薬品を処方等又は調剤することとなる。そのため、「特別の料金」を徴収するケースは生じない。
- 長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その1)
- 長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その2)
- 長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その3)
- 「長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する疑義解釈資料の 送付について(その3)」の一部訂正について
参考
本サイトは以下の資料を元に編集し、掲載しています。
- 厚生労働省 令和6年度診療報酬改定説明資料等について(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000196352_00012.html)
令和6年度診療報酬改定の概要 (調剤) - 厚生労働省 後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養について(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_39830.html)
長期収載品の処方等又は調剤に係る選定療養の対象医薬品について 令和6年4月19日 事務連絡
2024年9月迄の情報に基づき編集したものです。その正確性等について保証するものではありません。本サイトのご利用により、直接または間接に損害が発生したとしても、一切の責任は負いかねます。
(2025年3月19日更新)